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【乾為天・九二】– 見龍田に在り、徳を養い機を待つ

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原文

「九二:見龍在田、利見大人。」

書き下し文

九二(きゅうじ):龍を田(でん)に見る。大人(たいじん)を見るに利(よ)ろし。

現代語訳

【九二】
田に龍の姿を見つける。今はその龍が天に昇る前の段階だが、大きな徳を備えた人物と出会うことが利益となる。

意味とポイント

● 九二とは何か?

乾為天の成長プロセスにおいて、九二は「潜龍」から一歩踏み出した段階です。
初九ではまだ水底に潜んでいた龍が、九二で初めて「田に姿を現す」=人の目に触れる場所まで出てきます。
しかし、まだ完全に飛び立つ段階ではありません。力は備わりつつありますが、機は熟していない状態です。

● 「田に龍を見つける」象徴

田は、人間の生活や社会活動の場を象徴します。
龍は本来天を翔ける存在ですが、ここでは地上にいる。つまり、天の才を持つ者が、地上で人々と関わりながら徳を養っている状態です。
この時期は「焦らず、地に足をつける」ことが何よりも重要になります。

● 「大人を見るに利ろし」

“大人”とは、徳と智慧を兼ね備えた立派な人物を意味します。
この爻では、そんな人物と出会い、教えを受けることが成長を大きく後押しします。
自分一人で突き進むよりも、導きを得ながら力を整えるべき時です。

成長プロセス内での位置づけ

乾為天の6段階を龍の成長として見ると、九二は「世に出る準備段階」。
初九(潜龍)で蓄えた力を、ここで少しずつ外に示し始めます。
しかし、まだ高みに飛ぶ段階ではないため、「謙虚さ」「師との出会い」が最大のテーマとなります。

状況別読み解き

● 仕事

学びと経験を重ねる時期。
この段階では、まだ完全な主導権を握るよりも、経験豊富な人物のもとで学びを深める方が成果につながります。
転職や起業を考えている場合も、準備段階としての行動が吉。
大きなプロジェクトや役職に就く前に、基礎を固めましょう。

✴︎アドバイス:まずは師や先輩の教えを吸収し、力を養え。

● 人間関係

尊敬できる人との交流がカギ。
九二は、信頼できる人からのサポートを受けやすい時期です。
感謝と謙虚さを持って接することで、あなたに必要な人脈が自然と整います。

✴︎アドバイス:頼れる相手を見つけ、その人の背中から学ぼう。

● 恋愛

成熟した相手や関係から学べる時。
恋愛においては、自分の未熟さを受け入れられるかどうかがポイント。
相手が年上や精神的に成熟している場合、そこから多くの気づきを得られます。
恋が成長のきっかけとなる暗示。

✴︎アドバイス:相手を先生のように見て学び、関係を育てよう。

● 内面(精神的成長)

心の師を持つ。
精神的な成長において、あなたを一段上の視点に導く人や教えとの出会いが訪れます。
自己流を貫くのではなく、素直に吸収する柔らかさが成長を加速させます。

✴︎アドバイス:導かれることを恐れず、師の智慧を借りる。

● お金・豊かさ

投資よりも学びへの支出が吉。
利益を急ぐより、知識やスキルを磨くための投資が将来の大きな収益につながります。
お金を増やす時期ではなく、「お金を使って自分を育てる」時期です。

✴︎アドバイス:自己投資は将来の飛躍のための“種まき”。

一言アドバイス

「地に立ち、天を見よ。師を得て、龍は静かに力を満たす。」