原文
「六五:黄裳、元吉。」
書き下し文
六五(りくご):黄裳(こうしょう)、元(はじめ)吉(きち)。
現代語訳
【六五】
黄色の裳(すそ)の衣を身につけている。その姿は中庸を得ており、大いに吉である。
意味とポイント
● 六五の位置づけ
六五は坤為地の中でも「君位」にあたる中心の爻です。
ただし陽位(九)ではなく陰位(六)であるため、支配や強さではなく「柔順と中庸」の徳を持つリーダー像を示します。
ここでの吉は、謙虚で控えめな振る舞いによって得られるものです。
● 「黄裳」の象徴
- 黄:中庸・バランスを象徴する色。古代中国では「中央」を表す尊い色。
- 裳:衣の裾。目立たない部分を意味する。
つまり「黄裳」とは、リーダーであっても謙虚さを忘れず、控えめに振る舞うことを表します。
● 「元吉」の意味
単なる吉ではなく「元吉=大吉」を意味します。
これは、謙虚なリーダーが人々を安定に導くことで、社会全体が調和し、繁栄することを示しています。
成長プロセス内での位置づけ
坤為地の六五は、全卦の徳を代表する位置。
初六の「兆し」、六二の「誠実」、六三の「含章」、六四の「慎み」を経て、六五では「謙虚なリーダー」という完成形が現れます。
状況別読み解き
● 仕事
→ 謙虚なリーダーシップが成功をもたらす。
上に立つ立場であっても、前に出すぎず、控えめで公平な姿勢を持つことが吉。
組織の安定と繁栄につながります。
✴︎アドバイス:成果は仲間の力として称え、自分は一歩下がる。
● 人間関係
→ 謙虚で控えめな態度が信頼を呼ぶ。
自分を大きく見せる必要はなく、自然体で接することで人から尊敬されます。
✴︎アドバイス:一歩引いて相手を立てよ。
● 恋愛
→ 落ち着いた関係の成熟。
派手な愛情表現よりも、静かで誠実な思いやりが関係を深めます。
信頼の積み重ねが未来につながる時です。
✴︎アドバイス:無理に目立たなくても、真心は伝わる。
● 内面(精神的成長)
→ 中庸を守る心が成熟をもたらす。
極端に走らず、中央を歩む姿勢が精神を安定させます。
リーダーでありながら従う柔軟さを持つことが大切です。
✴︎アドバイス:中庸は最大の強さ。
● お金・豊かさ
→ 堅実さが大吉。
過剰な投資や派手な消費よりも、堅実で地道な運用が結果的に最大の利益をもたらします。
✴︎アドバイス:控えめな選択が最も豊かさを守る。
一言アドバイス
「謙虚に控えめに歩むことで、大きな吉を得られる。」