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【Column】易経がある日常の暮らし

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先日、友人から「結婚した」という連絡が届きました。

親しい友人が結婚したという知らせ。
その知らせを受け取ると、こちらまで胸が熱くなり、嬉しい気持ちと共に心地よい「ドキドキ」を感じてしまいます。 これが、人が「慶び(よろこび)」に触れたときの純粋な振動なのかもしれません。

結婚をすると、人生におけるあらゆるものの優先順位がひっくり返ります。
だからこそ、誰にとっても結婚は人生の一大事であり、わたしたちはあらゆる人の幸福を切に願わずにはいられません。

友人への祝福のメッセージを送りながら、ふと「結婚とは何か」を考えていたとき、私の頭の中にひとつの「卦」が思い立ちました。

易経は単なる占いの書ではありません。 言うなれば「宇宙のプログラミング言語」です。

過去5000年、そしてこれからも、人類の叡智の最先端にあり続けるこの「コード」は、わたしたちの日常のふとした瞬間に、世界の理(ことわり)を教えてくれます。(この「宇宙言語」としての易経については、また別の機会にじっくり語らせてくださいね)

さて、話を戻しましょう。 友人の結婚を想ったとき、卦がたちました。
それは…

【易経】 第53卦「風山漸(ふうざんぜん)」

【易経】 第53卦「風山漸(ふうざんぜん)」– 一歩一歩、徳を積み、時と共に進み昇る道【易経】 第53卦「風山漸(ふうざんぜん)」– 一歩一歩、徳を積み、時と共に進み昇る道 1. 卦象(かしょう): ䷴ ...

この卦が示しているのは、まさに「順序正しい進展」です。 古くは「女の嫁入り」を表し、婚約から始まり、結納や様々な儀礼を経て、徐々に新しい家庭が築かれていく様を説いています。

「漸(ぜん)」とは、「ようやく」「だんだんと」という意味。 山の上に木が生え、それが長い年月をかけて大木へと育っていくように、物事を成就させるには**「焦らず、ゆっくりと、手順を踏むこと」**が最も大切だと教えてくれる卦です。

さらにこの卦の「爻辞(こうじ)」を紐解くと、「鴻(こう=水鳥)」の物語が描かれています。 渡り鳥である鴻が、隊列を乱さず、順序を守って飛んでいく様子。それは、夫婦が互いのリズムを合わせ、一歩ずつ信頼関係を築いていく姿そのものです。

友人の幸せを願った瞬間に、この「風山漸」がピタリと浮かんでくる。 森羅万象を説明する易経の精度の高さに、わたしは改めて崇高な気持ちと、ある種の畏怖の念すら抱きました。

「最初から完璧でなくていい」

風山漸は、わたしたちにそう優しく語りかけます。 夫婦といえども、最初は他人同士。最初から完璧な家庭など存在しません。 少しずつお互いを認め合い、時間をかけて善行を積み重ね、ゆっくりと「関係」を育てていく。

今の時代、スピードや効率が求められがちですが、本当に大切なものほど「漸(ゆっくり)」進むことが、もっとも確実で、もっとも幸せな道なのかもしれません。

友人がこの記事を見るかどうかはわかりません。 けれど、彼の門出に「風山漸」が出たこと。そして彼の誠実な人柄から、わたしは確信しています。

彼らの人生は、ゆっくりと、しかし確実に、大木のように豊かなものになっていくと。

日々新たに、益々よくなる。 彼らの未来と、そしてこの記事を読んでいるあなたの歩みが、素晴らしいものになりますように。